好きなCMってある?

あん肝ポン酢

またテレビCMの話をします!!!
たぶんCMのことが好きなんだと思います。

前に「最近見た印象的なCM」のブログで「JT企業CM」をご紹介しました。

最近のCMって見てる?

その際に「好きなJT企業CMが多いので、また紹介できる機会があれば良いな!」と書いていたことを思い出したのでご紹介します。CM好きやないか。

JTについて

JTは、正式名称が「日本たばこ産業株式会社」という、たばこを作って売っている企業です。
税金は値上がりし続け、喫煙所は減り居場所がなく、二重の意味で煙たがられている喫煙者がお世話になっております。
マナーを守っている喫煙者は切ないね。

「ひとのときを、想う。JT」をコミュニケーションワードとし、「お客様にとっての『かけがえのないひととき』や『大切な時間』を想う」企業だそう。
「暮らしや社会の中に、心の豊かさを育んでいきたい」という考えを持っているそうです。

そんな中で作られたCMが「企業CM『想うた』シリーズ」です。

2018年6月よりスタートした、ひとがひとを想う気持ちを“うた”にのせて届ける企業広告『想うた』シリーズが開始2年目を迎え、今作の「同期を想う」篇から第2章へと移り、“違うから、人は人を想う。”のメインコピーのもと展開する。

このシリーズは第6弾まであり、わたしが一番お気に入りなのが「同期を想う」篇です。

JT企業CM『想うた』シリーズ 第2章「同期を想う」篇

どちらかと言えば『嫌いなやつ』」というフレーズから始まる「凸凹コンビ」のストーリー。
MONGOL800のキヨサクさんによるオリジナルソングで話が展開していく、ショートショートドラマです。

動画の内容

入社式で隣同士になり、握手を交わす同期の新入社員2人。

硬そうな表情で気まずそうに立つ姿と、大きい手ぶりで朗らかな印象を与える笑顔
真面目そうな彼は、軽薄な雰囲気を放つ彼のことを苦手そうに横目で見ます

電話なのにペコペコと頭を下げる姿と、何の緊張もなさげにリラックスした姿勢で通話する姿。

恐らく会社の飲み会で、スーツ姿のまま、アルコールで緩んだブレーキが利かず勢いでぶつかり合う二人。

「プレゼンまであと3日」という文字にもかかわらず、上手くいってなさそうな二人。
決裂して片方は出て行ってしまいます。

しかし次の場面になると、二人はいつものスーツ姿ではなく私服で、揉めていた会議室のような場所で仕事を始めます。明るかった外も陽が落ち、真っ暗になって夜まで続きました。
きっと、休日出勤で準備を進めようとしていたらお互い同じ考えだったのでしょう。

場面は変わり、プレゼンを行う二人。
片方は真面目そうな顔でPC画面を見つつ説明を進めているようで、片方は表情豊かに話すように説明している様子がうかがえる。

無事にプレゼンは終了し、生真面目な方から手を差し出し、ハイタッチする。

キャッチコピー「違うから、人は人を想う。」

そして共に歩き出すところでCMは終わります。

まとめ

同じ考えじゃないから、違うからというのは当然のことで。
だからこそ想い合って歩み寄り、お互いを補ったりすると凸凹が上手くハマる時がある、という内容だと感じました。
「ひとがひとを想う気持ち」という理念を素敵に落とし込んだストーリーです。

考え方が違いすぎると噛み合わない。
でも自分にできないことを相手ができると、頼り頼られでバランスの良いバディになる。
この先も見てみたいシチュエーションのCMでした。

他のバージョンがあった

わたしがテレビで見ていて知っていたのは30秒バージョンでした。
しかし、今回調べていて発掘した動画には3種類のバージョンがありました。

  • 30秒
    上記で説明しているバージョン
  • 1分
    シーンが多数増えていて、薄っすらとセリフが聞こえ、キャラクターが明確に分かり、より一層関係性が見えるようになっている
  • 3分
    シーンがさらに増え、セリフの声がハッキリと入っており、演出も効いていて、ショートドラマとして完成している

1分バージョンの違い

  • 入社式のシーン
    握手を一瞬躱され、握りなおし「冗談だよ」と言われるが怪訝な顔をしてしまう。初対面でいきなり冗談を飛ばす彼は、真面目な彼にとって軽薄で第一印象が良くないことが分かります。
  • 会社の花見(歓迎会?)のシーン
    盛り上げようとする元気な彼と、絡まれ巻き込まれて恥ずかしがる真面目な彼「こいつ本当に優しくて」と絡んでいるあたり、真面目な彼に対して優しい印象があるようですね。
  • 営業先で提案するシーン
    手振りを使いながら朗らかに話す彼と、PC画面でデータを見せながら説明する彼。仕事のやり方が全く違います。
  • 休日出勤のシーン
    先に来ていたのは元気な彼で、気まずい雰囲気を払拭するようにポーズを取り、飲み物を投げ渡します。昨夜先に出て行った負い目があるのでしょう。ちょっと嬉しそうな表情をする真面目な彼。
  • プレゼンのシーン
    表情豊かに話しながら、手振りで説明ターンをパスしているのがうかがえます。役割分担が上手くできているのでしょう。
  • プレゼン終わりのシーン
    握手を一瞬躱し、何かをつぶやいたあとにハイタッチ。入社式での仕返しですね。冗談を言える仲になったともとれます。

3分バージョンの違い

  • 入社式のシーン
    自己紹介よりも先に「社長の話長いなw」と話しかけてくる彼に対して、気まずそうに「……そうかな」と返事。握手の冗談よりも前に不真面目で軽薄そうな第一印象を持っていたんですね。そのあとに握手の冗談でとどめを刺される。このシーンで初めて二人のフルネームが判明しました。
  • 新入社員研修のシーン
    答えが分からない彼に助け舟を出す。ここで花見のシーンでの「こいつ本当に優しくて」という元気な彼のセリフ通り、真面目な彼に対して「優しい印象」を持ったようですね。
  • 新入社員挨拶のシーン
    真面目な彼の挨拶に対しては軽い会釈のみ、元気な彼の挨拶に対しては拍手で応対。元気な彼を苦手そうに横目で見ていただけでなく、自分の挨拶よりも歓迎ムードな雰囲気で気まずそうにしているようにも見えます。
  • ランチのシーン
    元気な彼は女性社員とランチに出かけようと真面目な彼を一応誘うも、もうすでにコンビニで買い物をした後。真面目な彼は「もう他の社員と仲良いんだ……」と少し驚いたような表情に感じます。
  • 営業に向かうため集合するシーン
    時計を気にする上司とともに待つ真面目な彼と、時間ぎりぎりに現れる元気な彼。
  • 営業中のシーン
    手振りを使いながら朗らかに話していた彼は、ふとした瞬間に呆然と止まってしまいます。そこに真面目な彼が、PC画面でデータを見せながら説明し始めます。恐らく返答に困る質問を受けてフリーズしてしまい、そこにデータを伴う説明で助け舟を出したのでしょう。
  • 営業後のシーン
    上司に「良いプレゼンだったな」と褒められる二人。元気な彼は「やったな」と言わんばかりに真面目な彼を小突きながら、褒められて嬉しそう。しかし、それに反して真面目な彼はあまり納得していなさそう。恐らく「自分がいなかったらプレゼンは失敗していた。彼は全くデータを用意してなかった」等と思い、ムッとしているのでしょう。
  • 営業成績発表のシーン
    思うところはあれど元気な彼は営業トップで、皆から褒め称えられる。面白くなさそうに手を叩く真面目な彼。
  • 帰るシーン
    談笑しながら女性社員と帰ろうとする元気な彼に対して、上司と残業している真面目な彼。
  • 休日出勤のシーン
    曲が止まり、印象的な演出。ここで「プレゼンを成功させたい」という同じ気持ちを持って出会っていなければ、きっとこのコンビは決裂していたことでしょう。
  • プレゼン前のシーン
    顔を見合わせて頷き合う二人。先刻の営業プレゼンとは全く違い、結束力を感じます。

まとめ

シーンが増えれば増えるほど、二人がどんな人物なのか深く知ることができ、ストーリーにも一層没入できます。
しかし、3分CMの1/6サイズである30秒CMでも、大まかな印象は変わらないってスゴイ。
30秒でも十分伝わるストーリーですが、二人により愛着が湧いて見入ってしまいますね。
3分CMはCMというよりドラマ感が強くて没入でき、1分CMはCM感がありつつドラマを感じられて良いですね。

やっぱり続きが見たいよ。二人で合コン行くところとか。

たばこの会社なのに「たばこ」出てきてなくない?

今さらだけど、そう。たばこの会社のCMなのに、商品が一切出てきません。
これは「企業広告」と呼ばれる「ブランドイメージの向上」を目的としたCMです。
企業の事業内容や社会貢献活動などを訴求し、企業のイメージや認知度を向上させる狙いがあります。

かつてはJTでも製品をPRする「商品広告」を放送していたそうです。しかし、未成年の喫煙防止や喫煙マナー向上のため、1995年からJTなどが加盟する「日本たばこ協会」がテレビやラジオでのたばこ広告の自主規制を実施することに。以降、テレビでたばこ商品のCMは放送されなくなっていきました。

アルコール飲料のCMも表現の規制が厳しくなっていますね。

まとめ

ストーリー性がとても強いCMの解説でした。
どんなに短い動画でもストーリー性は作れる、少し長めの動画だと深く伝えられる、というのが分かったのではないでしょうか。

理念がストーリーの下地にあり、あからさまになりすぎず伝えられる話作りというのは、とてもとても難しいことだと思います。
すごいなあ。

ストーリー性のある企業ムービーを作りたい方はこちら

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