CSSのwill-changeとは?2025年最新版|アニメーションが劇的に滑らかになる最適化テクニック

Web制作やフロントエンド開発の現場で、パフォーマンス最適化は永遠の課題です。
そんな中、「CSSのwill-changeプロパティ」という名前を聞いたことはありませんか?
「will-changeって何?」「本当に使う意味あるの?」
「使いすぎはダメって聞くけど、実際どうなの?」
今回はそんな疑問を持つ方向けに、2025年現在の実践的な使い方や注意点を、現場の視点で分かりやすく解説します!
will-changeとは?
will-changeは、“この要素のCSSプロパティがこれから変わるよ”と、事前にブラウザに伝えるためのCSSプロパティです。
たとえば、ボタンをマウスオーバーした時にふわっと浮き上がるアニメーションや、画像がフェードインするエフェクト。
こうした「何かが動く」場面で、will-changeを適切に使うことで、アニメーションの初回や負荷のかかるタイミングでもカクつきにくく、滑らかに表示できるようになります。
どんな仕組み?
通常、ブラウザは画面を効率よく描画するために様々な最適化を行っています。
しかし、「ここが動くよ」と教えておかないと、アニメーションの発生時に「急いで準備!」となってカクついたり、処理落ちすることがあるんです。
will-changeを使うことで、「この要素のtransformやopacityなどがこれから変わります!」と先回りして宣言。
するとブラウザはGPUレイヤーの用意やレンダリングの最適化を事前に行うため、初回からアニメーションがスムーズになります。
2025年でも現役、適切に使えば効果的なパフォーマンス改善テクニックです。
主要ブラウザ(Chrome, Firefox, Safari, Edge)はもちろん全対応。
現代のWebでも、CSSアニメーションやインタラクティブなUIの実装現場で日常的に活用されています。
ただし、「どこにでも・何にでもwill-change」はNG。
この点だけは昔も今も変わりません。
will-changeが本当に有効なケース
- 初回だけアニメーションがカクつく時
例:ボタンホバーでtransformを使ったエフェクト。will-changeで初回からヌルヌルに。 - スクロールで連動して出てくる要素
フェードインやパララックス効果など、複数の要素が一気に動く場合、will-changeで滑らかさアップ。 - 繰り返し動くカルーセルやスライダー
UIパーツ内で頻繁にtransformやopacityが変わる場合。 - モーダルやポップアップの表示/非表示
突発的に出てくる場面の滑らかさを担保。 - マウス追従などインタラクティブなアニメーション
ユーザー操作で頻繁に変化する要素。
逆に、will-changeの“使いすぎ”NGパターン
・全要素や大量の要素に一括指定する
* {
will-change: transform, opacity;
}
NGなケース
「全部の要素を最適化して!」と命令すると、ブラウザが大量のメモリとリソースを消費し、ページ全体が重くなるリスクがあります。
- リストやカードなど繰り返し要素全てに付与する
例:50個の画像カード全てにwill-change。実際に動くのは一部だけなら無駄な負担です。 - たまにしか動かないUIにもずっと指定しっぱなし
表示頻度の低いモーダル、クリック数の少ないボタンなど。 - CSSユーティリティやフレームワークで「とりあえず」つける
Tailwindや各種CSSユーティリティで癖で全アニメ要素につけるのも要注意。
使いすぎがダメな理由
will-changeはブラウザに「この要素、特別扱いで最適化して!」と頼む命令です。
内部的にはGPUレイヤー分け等、重たい処理が発生します。
使いすぎると、逆にメモリ消費・レンダリング負荷が高まり、結果としてパフォーマンス悪化・カクつきの原因になります。
おすすめ運用
- 「今まさに動く」「何度も動く」要素だけピンポイントで指定
- 不要な箇所、数が多いリストには使わない
- 必要な場合だけ、JavaScriptでアニメーション直前に付与し、終わったら外すのも有効
例:良いwill-changeの使い方
.button {
transition: transform 0.2s;
will-change: transform; /* ホバー時に動かす前提で */
}
例:NGなwill-changeの使い方
* {
will-change: transform, opacity; /* ページ全体はNG */
}
まとめ
will-changeは2025年も効果的なパフォーマンス改善手法のひとつです。
ただし「どこにでも使えば速くなる」魔法のプロパティではないですし、「何となく」で使いまくるのは逆効果とにもなりかねません。
動く要素、頻繁にアニメーションするUIにだけピンポイントで使うことが必要になります。
「アニメーションがカクつく」「スクロールが重い」など困った時は、will-changeの活用を検討してみてはいかがでしょうか?